マーダーミステリーは、一言で言ってしまうと、
「物語の登場人物になりきって、事件の犯人や真相を推理する会話型推理ゲーム」です。
推理小説の登場人物になって物語を追体験できる、といったところでしょうか。
登場人物の背景や記憶、事件当日の行動などが書かれている「台本」がそれぞれの登場人物分用意されており、参加者はその中から一つを選んで読み込み、その人物になりきって犯人を捜します。
基本的に「全員が容疑者」というシチュエーションが殆どですので、自身の潔白を晴らしながら本当の犯人を捜すことが目的となります。もちろん犯人役は自分が犯人とバレないようにするのが目的です。
また、それぞれ犯人特定とは別に目的が設定されており、単純に犯人を突き止めればよいというわけではないのもマーダーミステリーのオモシロいところです。
そしてマーダーミステリーは一度作品を体験すると犯人やトリック等がわかってしまうため、遊んだ作品はもう2度と遊べない、「一生に一度しか遊べないゲーム」なのです。
物語の登場人物になりきって遊ぶ会話型推理ゲーム
マーダーミステリーは物語の登場人物になりきって、犯人や真相を推理していくゲームです。
登場人物は殺人事件の現場に居合わせた容疑者。
作品によって人数は違いますが、登場人物の数だけ台本が用意されており、ゲームをはじめる前に自身が担当する登場人物を決めます。
台本にはそれぞれの登場人物の性格や背景、当日の行動などの情報が書かれています。
皆さんはその台本をゲーム開始前に制限時間内で読み込みを行い、その登場人物としてゲームを進めていきます。自身の台本の情報や、ゲーム中に得られる情報、他プレイヤーの情報などを元に犯人を探し当てるのが目的です。
また、プレイヤーの中は犯人役があり、犯人役の台本を選んだ方は他プレイヤーに犯人とバレないように巧みに嘘を交えながら逃げ切ることが目的となります。
そしてマーダーミステリーは犯人特定だけが目的ではなく、それぞれの登場人物に固有の「別の目的(サブミッション)」が用意されています。その目的を達成するために情報を入手したり隠したりといった犯人特定以外の動きをしなければならないため、アリバイを証明できなかったり、他のプレイヤーに疑われるような行動をしなければならないといったジレンマもマーダーミステリーの楽しさの一つです。
例えば、「Aさんは浮気をしており犯行時間は二人で会っていた。これはアリバイにはなるが、それを話してしまうと浮気がバレてしまうので隠し通さなければならない。その結果他のプレイヤーに疑われてしまう、、、」
などといった状況になったり、犯人特定が一筋縄ではいかないような仕組みになっています。
「別の目的」を達成するためには、キャラクターになりきり他プレイヤーを欺き、時には協力する必要があります。
尚、「マーダーミステリー」というくらいなので、殆どの作品が「マーダー(殺人)」の事件がテーマなのですが、最近では殺人が起きない作品や、犯人がプレイヤー内にいない作品など様々なジャンルの作品が生まれてきています。
マーダーミステリーは「一生に一度」しか遊べない
一度遊ぶと犯人がわかってしまいます。
犯人が誰かわかっていたら、プレイヤーの話す内容が嘘かどうかわかってしまい、推理ゲームとして成り立ちません。つまり、2度と遊べません。
回によって犯人を見つけた回や、見つけられなかった回、独特な結末を迎える回など様々。
一生に一度の体験。それは、遊んだ仲間とだけ共有できる「特別な時間」となります。
故に、ゲーム終了後に「感想戦」という時間が設けられており、物語について感想を話し合ったり、それぞれのプレイヤーの秘密や目的などをカミングアウトしたりと盛り上がります。
また、事前に犯人がわかってしまうと遊べないという事ですので、当然ながら「ネタバレ禁止」です。
SNSなどで感想を投稿するにしても、作品の内容に踏み込んだことを書くのは禁止されています。
例えば、「〇〇役をやりました!犯人見つけられませんでした。悔しい!」なんて投稿してしまうと、〇〇役が犯人ではないということがバレてしまいますね。
体験後に話をしたい事は感想戦、または作品によって用意されている「ネタバレオープンチャット」などで話すしかありません。
マーダーミステリーゲームはどのように遊ぶ??
一般的にマーダーミステリーは物語の進行役である「ゲームマスター※以下GM(ジーエム)」と呼ばれる役割があります。※GMを必要としない「GMレス」という作品もあります。
作品によって流れは違いますが一般的には以下のような流れでゲームは進んでいきます。
1.ルール説明
GMがゲームのルールや物語の概要などを説明します。
基本的には作品毎にルールが違いますので必ずGMから丁寧にルール説明がされます。従って、もしマーダーミステリーがはじめてといった方でも安心してご参加いただけます。
2.配役決定
それぞれのキャラクター情報をもとに配役を決定。参加者同士で話し合い、自分にあったキャラを選びましょう。
3.台本の読み込み
配役が決まった後はそのキャラクターの台本を読み込みます。
作品によって情報量は違いますが、大体10分~20分程度が多いです。台本はあとでいつでも読み返せますので、制限時間内にすべてを記憶する必要はありません。もし「もう少しだけ時間が欲しい!」といった場合は遠慮せずGMに相談しましょう。
4.議論・調査
読み込みが終わったらゲームスタート。
情報を入手しながらプレイヤー同士で議論を進めます。情報の入手方法もゲームによってさまざま。大きく分けて2種類あります。
<オープン型>
プレイヤーが調査トークンを支払うことで、場に用意された情報カードを入手します。
トークン数に制限があり、またどのカードをどのプレイヤーが入手するかわからないため、その結果によって物語の進行が変わってきたりします。
<クローズ型>
場に情報カードなどは無く、時間経過や誰かの特定のキーワードなど条件によってGMから情報が公開されていきます。
そして、議論は自身の取得した情報を元に全員がテーブルを囲んで自由に話すのですが、テーブルを離れて2~3人だけでこっそり話す「密談」と呼ばれる仕組みもあります。また、自分の目的の達成のために、入手した情報カードなどを他プレイヤーと譲渡交換したりすることもあります。
5.犯人投票
議論が終わったらいよいよ犯人投票です。
皆との話し合いの結果、犯人だと思う人に投票をします。
投票は一斉に指差し投票の場合もあれば、紙への記述式などこれも作品によってさまざまです。
6.エンディング
犯人投票が終わったら、その結果を元にエンディングを迎えます。
犯人投票や物語中のプレイヤーの行動などで分岐するマルチエンディングも多く存在します。前途したようにマーダーミステリーは一生に一度しか体験できないゲームです。結末はどんな形であれ、それはまぎれもなく「自分たちだけの物語」となります。
7.解説・感想戦
エンディング後は感想戦です。
ゲームマスターからゲーム中にわからなかった事などの解説が行われます。
また、それぞれのプレイヤーが隠していた秘密や目的などもここで暴露したりして、楽しかった!騙された!悔しかった!など一緒に遊んだプレイヤーと「自分たちだけの物語」を締めくくりましょう。
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